葬式へ行く前に、香典の金額の目安、書き方やマナーについて知っておきましょう。

149886

「香典」とは、一般的に通夜または、葬儀・葬式(告別式)の際に持参する 現金を不祝儀用ののし袋に包んだものをさします。

ここでは香典の金額の目安、書き方やマナーについての心得をご紹介します。

よくお問い合わせを頂く内容をもとに、皆さまの疑問や質問にわかりやすくお答え致します!これをご覧いただければ、そんな不安も解消されると思います。

1、香典とは?

香典には思わぬ出費となる葬儀に対して、遺族への経済的な援助と哀悼の意味合いが含まれています。
昔は、香や花、供物を供していましたが、現在ではその代わりに現金を包むようになったとされています。

b428449ad419966dac09405f892ce279_s

2、香典の準備をする際の心得 ~5箇条~

(1)香典袋の書き方は?

香典袋の表書きは、故人または喪主の方の宗派に合わせて書きます。
訃報の連絡を受ける際に、先方の宗派を確認しておくとよいでしょう。
万が一、宗派がわからない場合は、どんな宗派でも使えるように準備しておかれるとよいでしょう。
香典袋の上段と下段の書き方は次のとおりです。

仏式の場合

香典の表書きは、「御霊前」「御香典」「御香料」などです。

キリスト教式の場合

香典の表書きは、「御霊前」「御花料」などです。

※香典袋は、のしなし、十字架などがついた専用袋または、白無地袋を使用します。
蓮の絵のついたものや水引きのついたものは使用しませんのでご注意下さい。

神式の場合

香典の表書きは、「御霊前」「御榊料」「御玉串料」などです。

※神式は、香を使わないので香典とはいわず「玉串料」と言います。
蓮の絵のついたものは使用しませんのでご注意下さい。

宗派がわからない場合

香典の表書きは、どんな宗派でも使えるように「御霊前」としておかれるとよいでしょう。

香典袋の下段には、会葬者のフルネームを書きます。
ビジネスでの香典の際は、会社名だけで香典を出さず、遺族に対して故人との間柄がわかるように会社名と社長名を書いて出すとよいでしょう。

189621

(2)お金の包み方と入れ方は?

お金は、中包みに入れて、中包みの裏に「金額」「住所」「氏名」を筆またはペンを使って書きます。
金額を書く際には、以下のような形で漢数字を用いりましょう。

例えば、3万円の場合は、「金三万円」「金三萬円」または「金三萬圓」などと書きます。

漢数字表

10
五・伍 十・拾

のし袋によっては、金額を書き入れる欄があるものも販売されています。
地方によっては、若干異なる場合がありますが、今回は、一般的な書き方をご紹介しています。

香典に包むお金

新札を使うのは、「訃報に備えて事前に準備していたかのよう」で大変失礼にあたり、 マナー違反になりますので注意しましょう。
また、汚れていたり、しわしわのお札を使用することも避けて下さい。
どうしても、新札しかないという場合には、一度折って、折り目をつけてから使用しましょう。

お金を入れる向き

お金を入れる時のお札の向きについては、地方によって異なる場合がありますので、「お札を2枚以上入れる際は同じ向きに揃える」という点に
気を付けていただければと思います。

お金包み方

上包みの中央に中包みを置き、左、右の順にかぶせていき、最後に上側を下側にかぶせます。

(3)香典金額の目安とは?

故人や遺族との親密度や社会的地位により異なりますが、一般的な香典金額の目安としてご紹介します。
中に入れる金額に決まりはありませんが、4万円、9万円という金額は、お悔やみごとにはマナー違反になりますので、
端数のない金額を包むようにしましょう。

故人 香典金額(目安) 故人 香典金額(目安)
祖父母 1万円 取引先 1万円
両親 10万円 上司 5千円
兄弟・姉妹 3万円・5万円 同僚 5千円
おじ・おば 1万円 部下 5千円・1万円
その他の親戚 1万円 知人・友人 5千円

(4)香典はいつ渡すべき?

持参の時期は、通夜や葬儀のいずれでもよいとされています。
通夜や葬儀に間に合わなければ、それらが済んでから持参しましょう。

(5)香典を渡す際のマナーとは?

香典袋は、普通、黒か紫のふくさに包んで持参し、通夜や葬儀のときに受付で渡しましょう。

3、香典返しをする際の心得 ~5箇条~

(1)香典返しの時期とは?

仏式の場合

お返しの時期は、四十九日法要後にまとめてお贈りされるのが一般的です。可能であれば、お手紙を添えておかれるとよいでしょう。
ただし、最近では、会社関係でまとめて頂いた場合などで、早くお礼を渡したい時には、香典返しとは別に葬儀後に、ほどなくしてお礼される方もいらっしゃいます。

キリスト教式の場合

香典返しは、日本独特のしきたりであり、キリスト教には「香典返し」という風習はありません。
ただし、お返しをされる場合には、三十日目の追悼ミサ(カトリック)や召天記念日(プロテスタント)の頃にお贈りされるのが一般的です。

神式の場合

香典返しは、もともと仏式のしきたりでありますが、仏式の習慣に準じて、五十日祭の忌明けの頃にお贈りされるのが一般的です。

(2)香典返しののしの書き方とは?

香典返しを贈る場合にはのし紙をかけますが、「内のし」と「外のし」で使い分けましょう。
内のしは、送る時や控えめな気持ちを表す場合に用いることが多いようです。
外のしは、持参して直接手渡しされる場合に用いることが多いようです。

香典返しののし

宗派 水引き のし紙(上段) のし紙(下段)
仏式(関西)

黒白または黄白の
結び切り
満中陰志 ○○家・姓のみ
フルネーム
(喪主の氏名)
キリスト教式
神式
黒白または黄白の
結び切り
志・偲草 ◯◯家・姓のみ
フルネーム
(喪主の氏名)

(3)香典返しの予算は?

いただいた香典の半分ぐらいの金額を目安にされるとよいでしょう。
また、香典をいただい方全員に同じ物を贈る場合もありますが、金額別のカタログなどを利用して、いただいた金額に応じて三段階ぐらいの品物を用意しておくこともあるようです。
香典返しによく使われる品物としましては、石鹸やお茶(後に残らないもの)やタオル、ハンカチがあげられます。

(4)香典返しのお礼は必要?

お礼の電話やお礼状は不要です。

(5)香典返しを辞退されたら?

香典返しは、故人のために葬儀に参列していただいたことへのお礼などの意味を込めて行なうものであり、基本的には辞退された相手にも差し上げるのがマナーです。
※ただし、地方によっては香典返しをする風習がほとんどない地域もあります。

まとめ

最近は、「香典」を辞退される傾向が多くみられますが、本来の香典の意味を理解した上で、突然の不幸があっても慌てないように、
マナーをきちんと心得ておくことが大切です。今回、ご紹介させていただいた内容が少しでもお役に立てれば幸いです。

このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を書いた人

【ぶつぶつ雑記編集部】 坊守

皆さまとご一緒に聞法に励みましょう。